2012年01月15日
頑張る、というコト
昨年の3月11日に東日本大震災が起きてから、色々なメディアなどで
『がんばれ‥』 や 『がんばろう‥』
という言葉が色々な所で目にするようになりました。応援したいという気持ちは凄く
理解出来るのですが、僕のようにメンタルヘルスに興味・関心ある人にとっては、
疑問があるのではないのでしょうか?
僕が持っている国語辞典で『頑張る』と調べると、①ゆずらない。我意をはる。②
最後まで努力する とあります。①の意味はともかくとして、震災で被害を受けた人達
に②の意味を適用してみたらどうなるのでしょうか?僕が考えるには、『最後まで努
力する』と言うと、まだまだ余力があり不十分だから今このような現状にあるのだ、と
解釈出来てしまいます。
かなり前に読んだ、島悟著の『メンタルヘルス入門』(日経文庫)に次のような一文
があります。うつ病の部下に対する管理者向けのアドバイスで、
「もうすでに精一杯頑張っていて、かなり限界の状態であることも想像されます。これ
以上もっと頑張れと言われると、追い詰めることにもなりかねません」
「メンタル不調に陥っている場合は、通常よりずっとエネルギーが落ちていますから、
頑張ろうとしても頑張れないのです。(中略)分かっているけど頑張れないメンタル
不調が悪化している可能性があります」
東日本大震災は、以前に起きた阪神・淡路大震災に比べかなり大きな被害を受け
被災者の多くはかなり精神的にもダメージが強い出来事だったのは周知の事実。
この事を思うと、被災者の人達に『頑張る』という言葉をかけるのは一層、精神的に
苦しめるのではなかろうか、と思います。もうすぐで震災から一年。以前として厳しい
状況が続いている被災地。基準値以下だと訴えているにもかかわらず、ガレキの受け
入れに反対している人達。もし、浜岡原発が稼動中に東日本大震災と同等かそれ以
上の災害が起きていたら、どうなっていたか。その点も踏まえて考え直す必要がある
と思います。

Posted by レオ☆ at 17:17│Comments(0)
│メンタルヘルス